ラックと言っても棚じゃありません。
めっきするモノを引っ掛ける道具です。
世の中はめっきであふれています。
だから、ラックがないといろんなモノがつくれません。
日本ラックはこの分野でTopをめざしています!

キャップ

キャップ(コップ)形状のワークは、伏せた状態でめっきの電解液に漬けても、内部にエアが入ってうまくめっきできません。この治具は上部にフロート(浮き)が付いていて、内部に電解液が入る姿勢になるように工夫されています。

食洗機の取手は清潔感が得られるように、多くはクロムめっきされています。凹んでいるところやコーナー部はめっきが薄くなる傾向がありますが、この治具はめっき層の厚みを均一にするために補助的にマイナス極を治具に設けています。

ゴルフクラブヘッドをめっきするのは、防錆・硬度(耐久性)・外観を向上させるために行います。そのためヘッド表面全体をめっきするために対象物を掴むのではなく、差し込み式の治具を使用します。

自動車のフロントグリルは軽量化と施工性の向上のため、金属から樹脂へ、大型・一体化が進んでいます。柔らかい大型樹脂パーツでもしっかりと高精度で把持する治具と、業界有数の大きなめっき層で時代のニーズに応えています。

治具の写真にあるように、工具を点と点で支えています。治具がつかんだ箇所はめっきされませんから、支持は極小で、しかしめっき層に落ちない治具でなければなりません。このような微妙な接点を、数万点あるといわれる工具ごとに製造しています。

プリント基板は微細な導電ラインが集合しているため、ゴミやホコリで断線しないようにめっき前にしっかりした洗浄を行います。この治具は基板洗浄時の把持用にクリップを備えています。めっき前後工程の治具も知見を活かして製造しています。

携帯電話などに使用されているセラミック基板は割れやすいため、写真のようにコイルばねを利用した把持を行っています。割れない程度のテンションをかけながら、めっき層の中に落ちないような、絶妙のホールド加減を実現しています。
フレキシブル基板(FPC)

フレキシブル基板とは、リボンのように柔軟に曲がる樹脂基板です。カメラ内部のシャッターやフォーカス機構のようにごく狭い中で電気や信号を取り回すときに使われます。この治具は柔らかなフレキでも強すぎず、弱すぎずのテンションで把持します。

自動車ピストンなどは内部までめっきを施すため治具ごと回転させる必要があります。そのため、バスケット形状になっています。

アルミニウム表面に酸化被膜を形成するアルマイト処理は、耐食性、耐摩耗性の向上、着色による美観向上が行えます。この治具は高級車向けディスクキャリパーのアルマイト処理用で、上部バーを押して対象物を傾け、エアだまりを抜く工夫がされています。
必要とする塗装

塗装するためにワークを把持する治具は、めっき用ラックと性質がたいへん良く似ています。把持している箇所は塗装ができませんから、どの箇所でホールドするかの選択や、ホールドするための面積をできるだけ小さくしながら、治具から落とさないようにする点です。当社では、半導体製造や電子部品製造で培った正確性で塗装用治具としての期待にもお応えしています。